マイクロ法人は医師の節税にも有利?勤務医や開業医にもおすすめ!

この記事では、マイクロ法人は医師の節税にも有効かについて徹底解説します。

マイクロ法人というと、フリーランスの節税手段として話題になっていますが、医師も節税できる可能性があります。

むしろ、医師という高年収な職業は、マイクロ法人と相性が良いと言えます。

マイクロ法人の設立で節税に有利になる理由や、勤務形態(勤務医、開業医、フリーランス医師)による違いをお伝えします。

節税対策ができておらず、高い税金を納めている医師の方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

マイクロ法人で医師も節税に有利になる4つの理由

  • 所得を分散させて税率を下げられるから
  • 社会保険料を圧縮できるから
  • 経費を活用できるから
  • 「小規模企業共済」に加入できるから

それぞれについて、詳しく解説していきます。

マイクロ法人で医師が節税で有利な理由①:所得を分散させて税率を下げられるから

マイクロ法人を設立することで、個人と法人で別々の財布(口座)を持つことできます。

医師は一般的に高年収な方が多いですが、例えば年収1,800万円の方がいたとします。

節税対策をしていなければ、所得税は所得の40%で、約700万円となります。

マイクロ法人を設立して、1800万円の内、400万円を法人の売上として計上できれば、マイクロ法人側で支払う法人税は、約80万円となります。

給与所得は残りの1,200万円となり、個人として納める所得税は約400万円です。(税率33%)

合計で約480万円の税額になるので、所得税1本で納める場合(約700万円)と比較して、220万円の節税となります。

参考に所得税と法人税の税率を以下にまとめておきます。

所得税法人税
所得金額税率所得金額税率
0.1~194.9万円5%800万円以下19%
195~329.9万円10%
330~694.9万円20%
695~899.9万円23%800万円超え23.20%
900~1,799.9万円33%
1,800~3,999.9万円40%
4,000万円~45%

このように個人と法人に所得を分散させることで大きな節税メリットがあります。

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 医師として、診察や手術などの医療行為で稼いだ所得は給与所得に分類される。
  • そのため、マイクロ法人の事業所得として売上計上すると否認される。
  • 医療行為以外(講演、執筆、コンサル、不動産投資など)の所得は事業所得扱いが可能。

節税のためと言って、何でもマイクロ法人の売上として計上してはいけないので、その点には注意しましょう。

マイクロ法人で医師が節税で有利な理由②:社会保険料を圧縮できるから

マイクロ法人側で社会保険に加入する事で、社会保険料を圧倒的に下げることが可能です。

標準報酬月額(その年の4~6月の給料の月平均)が0~63,000円の場合、社会保険料(健康保険、厚生年金)が最低ラインの年間264,000円となります。

さらに、役員報酬を年間550,000円以内に調整することで、所得税と住民税をゼロに抑えることができます。

医師は医師国保に入っている場合もありますが、マイクロ法人による社会保険料の最適化と比較すると割高になるケースが多いです。

マイクロ法人で医師が節税で有利な理由③:費用計上(経費)で節税できるから

マイクロ法人を所有していると、事業に関係する範囲で家賃や車両などの支払いを経費として計上することができます。

例えば、年収1,800万円の勤務医が家賃30万円の家に住んでいるとすると、年間の家賃360万円は、税引後のお金で支払うことになります。

もしマイクロ法人でその家賃を経費にすれば税前の支払い、つまり所得を360万円圧縮できるので、その分税金を抑えることができます。

マイクロ法人で医師が節税で有利な理由④:「小規模企業共済」に加入できるから

マイクロ法人を所有していると、小規模企業共済の利用が可能となります。

小規模企業共済は月額1,000~70,000円の積立が可能です。

さらに、積立金全額が所得から控除されるため、Maxの70,000円を毎月積み立てたとすると、年間84万円の所得控除が受けられます。

また、小規模企業共済の運用利回りは2016~2020年の5年平均で2.22%と、銀行預金よりも高くなっています。

積立期間が20年未満だと元本割れする点には注意が必要ですが、節税効果を加味してトータルで考えれば、十分お得な制度と考えられます。

マイクロ法人の節税(勤務医・開業医・フリーランス医師)それぞれの場合を解説

マイクロ法人の節税は、勤務形態によっても変わってきます。

現在、医師をしている方は以下のパターンが多いと思います。

形態条件公的保険公的年金納付方法
勤務医常勤もしくは非常勤(常勤の3/4以上)健康保険厚生年金勤務先で源泉徴収
開業医従業員5人未満医師国保国民年金個人で確定申告
従業員5人以上協会けんぽ厚生年金個人で確定申告
フリーランス国民健康保険国民年金個人で確定申告

それぞれの場合の節税について説明していきます。

マイクロ法人の節税:勤務医のケース

勤務医でも収入の一部をマイクロ法人の所得にすることで節税できる場合があります。

ここでの勤務医とは、常勤もしくは常勤の3/4以上の出勤時間がある非常勤の医師です。

勤務医の多くは、勤務先の源泉徴収と年末調整で所得税と社会保険料を納めていると思います。

ただし、勤務医でも以下の条件を満たす場合は節税できる可能性があります。

  • 医療行為以外の収入がある。(給与以外の収入)
  • 年収が高い

医療行為以外の収入とは、例えば講演や執筆、不動産収入などです。

上記の条件を満たす方は、医療行為以外の収入をマイクロ法人の売上として計上することで、節税になる可能性がありますので、ぜひ検討してください。

マイクロ法人の節税:開業医のケース

つづいて開業医のケースをみてみましょう。

開業医の場合、従業員の人数によって加入する社会保険が異なりますが、5人未満の医院だと医師国保に加入するケースが多いと思います。

医師国保は所得に関係なく納付額は一定ですが、マイクロ法人で社会保険料の削減はできます。

マイクロ法人側で健康保険に加入し、給与を低く設定することで、医師国保より納付額を抑えられるからです。

さらに扶養家族がいる場合、家族分の納付が不要になるので効果はより大きくなります。

また従業員5人以上の開業医の場合、社会保険への加入義務が生じるため協会けんぽに加入するケースが多いと思います。

しかし、協会けんぽは所得に比例して保険料も高くなってしまうので、売上げの一部をマイクロ法人に分散することで節税できる可能性があります。

ぜひ検討してください。

マイクロ法人の節税:フリーランス医師のケース

最後にフリーランス医師のケースです。

もし直近の職場で加入した健康保険があれば任意継続できますが、最長で2年間です。

その後は国民健康保険に加入することになりますが、所得に比例して納付額も高くなっていきます。

そのためマイクロ法人側で健康保険に加入して、給料を低めに設定すれば納付額を低く抑えることが可能です。

さらにマイクロ法人の健康保険は扶養家族がいる場合、家族分の納付が不要になるので効果は大きくなります。

フリーランス医師は高年収かつ自由度も高いことから、最もマイクロ法人に向いているかもしれません。

ご自身の収入源と年収を見て、ぜひ検討してみてください。

マイクロ法人で医師の節税が難しい3つのケース

ここまで勤務形態別に節税の方法を紹介してきましたが、場合によって難しいケースがあります。

  • 勤務医で給与所得しかない。
  • 勤務医でなくても、医療行為以外の所得がない。
  • そもそも所得が高くない。

医師の節税が難しいケース①:勤務医で給与所得しか無い場合

勤務医で給与所得しかない場合は節税が難しくなります。

理由は、マイクロ法人の売上として計上できるものが無いからです。

マイクロ法人と本業の医療行為は、別の事業にする必要があります。

また実働の意思がないのもNGなので、マイクロ法人を設立する時は本業とは別で継続的に収入を得られるものにしてください。

医師の節税が難しいケース②勤務医でなくても医療行為以外の所得がない場合

勤務医でなくても、医療行為以外の収入が無い場合は節税が難しいです。

先に述べましたが、本業の医療行為とマイクロ法人は別の事業にする必要があるからです。

本業として医療行為、マイクロ法人では不動産収入や執筆、講演といたったように明確に区分する必要があります。

医師の節税が難しいケース③そもそも所得がそれほど高くない場合

ここまで高額な社会保険料や所得税を抑える目的で色々説明してきましたが、そもそも所得が高くない場合は節税効果はあまり得られません。

所得税も社会保険料も収入によって増減するので、所得が低い場合はそもそも安くなっていて削減の余地が無いからです。

またマイクロ法人は利益が0でも、地方税の均等割りといった税金が約7万円かかってきます。

結果的に節税効果を上回る費用が発生してしまう可能性もあるので注意してください。

マイクロ法人で医師も節税に有利になるのかについてまとめ

ここまでみてきたように、医師はマイクロ法人によって節税が可能です。

医師がマイクロ法人で節税になるポイントを以下にまとめます。

  • 所得の分散により所得税と社会保険料が抑えられる。
  • 中規模共済に加入でき、積み立て分で所得の圧縮ができる。
  • 所得税を例にあげると、年収1,800万円の医師であれば、年間約220万円の削減効果が見込める。

ただし、注意点もあります。

  • 勤務医で給与所得しかない。
  • 医療行為以外の収入が無い。
  • そもそも所得がそれほど多くない。

以上、医師もマイクロ法人で節税はできます。

節税対策を検討している医師の方は、ぜひ参考にしてください。

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