資産管理会社としてのマイクロ法人の節税!個人投資家の資産運用にもメリットあり!

個人投資家の頭を悩ませるものとして、保有銘柄の売却に伴う税金等の問題があります。

せっかく必死になって稼いでも、毎年高い税金によって多くの利益が奪われてしまうのは、本当にやり切れませんよね?しかし、こういった金融資産に対しての税金問題を解決する方法が1つあります。

それは資産管理会社としてのマイクロ法人を利用し、多額の税金を節税するというものです。

こんな話を聞くと「本当にそんな都合のいい話あるの?」と思われるかもしれません。

しかし、結論からいうとマイクロ法人を利用して資産管理会社を設立すれば、節税できる可能性は非常に高いといえます。

そこで今回は、資産管理会社をマイクロ法人で運営する上でのメリットやデメリット、また節税するための詳細についてご紹介したいと思います。                                       

目次

マイクロ法人を利用した資産管理会社の概要

マイクロ法人とは、出資者と経営者が1人しかいない小さな会社のことで、個人の資産をマイクロ法人に出資し、ご自身の資産運用を行います。

基本的に会社というものは、利益を求める前提で運営されます。

しかし、ここでは個人の資産運用を目的としていますから、資産管理会社という形になる訳です。

マイクロ法人は個人事業主との二刀流

個人事業主が資産管理会社を運営する上で、とるべき選択は2つあります。

1つ目は個人事業主が法人成りをして、法人のみを事業形態として事業を行う方法、そしてもう1つは、個人事業主とマイクロ法人を併用するという方法です。

ここで重要なことは、マイクロ法人と個人事業主の二刀流をつかうことにより、税金面で大きな恩恵を受けられるということです。

マイクロ法人は個人事業の法人成りとは異なる    

個人事業主が法人成りする場合と、マイクロ法人(法人+個人事業)では、一体どのような違いがあるのでしょうか。一見すると、それほど変わりがないようにも思えますが、実はこの両者を見比べると、とても大きな違いがあるのです。ではそれぞれ詳しく見ていきます。

マイクロ法人(法人+個人事業)  

マイクロ法人の実態は、個人事業主と法人の二刀流であるということです。

二刀流にすることで、通常納めるべき社会保険料などの税金を、法人側・個人事業側どちらでも支払うことができます。

つまり、自分にとって都合のいい方(※このとき所得を最小限に抑えるのがポイント)を選択して支払えることが大きな特徴です。

個人事業の法人成り(法人のみ)

個人事業の法人なりとは、個人事業主が完全に個人事業を廃業し、法人のみとなった状態です。

マイクロ法人の二刀流とは違い、社会保険料といった税金を納めるときは法人側でしか支払うことが出来ません。また、社会保険は収入に応じて変化します。

計上する収益は法人側のみですから、収入が多くなるほど支払う額が大きくなるというデメリットがあります。

以上の内容を比較すると、マイクロ法人と個人事業の法人成りでは、税金を支払う部分では全く異なることが分かります。

マイクロ法人の資産管理会社には2つのデメリットが…   

マイクロ法人を利用して資産管理会社の事業を運営する上で、知っておかなければいけないデメリットがあります。

それは法人設立に伴うコストと管理負担の発生です。

マイクロ法人で資産運用をする際は、節税面と事業における管理負担のバランスを見比べることが必須となります。  

マイクロ法人のデメリット①:コスト高

マイクロ法人を設立し運営することで、デメリットとして挙げられるのは、設立や維持費などが発生するということです。必要な費用は以下の通りです。

  • 設立費用
  • 均等割分
  • 税理士費用

マイクロ法人の設立費用

マイクロ法人を設立する場合でも、合同会社であれば設立費用が10万円前後、株式会社の場合はおよそ25万円くらいが相場となります。

法人地方税の均等割の税額

法人の場合は、会社の収益が赤字であっても、年に一度の決算期には、均等割の税額を支払わなければなりません。

地方税と法人住民税を合わせると、年額で約7万円の納税が必要です。

マイクロ法人の税理士費用

確定申告を自分でやるのが面倒だという人は税理士に支払う費用も必要となってきます。

マイクロ法人で行う経理の処理はそれほど多くないですが、およそ20万円前後は予算として見ておきましょう。

マイクロ法人のデメリット②:管理が大変に

マイクロ法人では個人事業に比べ、運営管理の面でも負担が増えます。今までより経理の仕事に時間や手間がかかるでしょう。具体的には以下の2つが挙げられます。 

  • 事務手続きが複雑化し難易度が上がる
  • 税務書類の申告時に手間がかかる

事務手続きが複雑化し難易度が上がる

マイクロ法人では、個人事業ではなかった事務手続きが増えます。

法人となった時点で、社会保険に入らなければならないことに加え、年金事務所に「算定基礎届」という書類を毎年提出しなければいけません。

さらに、マイクロ法人では、代表者が役員報酬を受取るので、年末になると年末調整までする必要がでてくるのです。また、法人では人数に関係なく「源泉所得税」を支払うことも必須となります。

税務書類の申告時に手間がかかる

マイクロ法人になると、税務書類の面でも個人事業より必要なものが多く、複雑になります。

具体的には「勘定科目内訳書」や「法人事業概況書」といったものです。

以上2つの書類は、知識がない人が作成することはとても困難になります。

ですから、多くの場合、税理士を雇うことになるでしょう。

また、マイクロ法人と個人事業で2つの事業を行うことになるため、税務調査に入られる確率も倍になります。

以上のことから、税務書類の手続きや管理は十分注意して行いましょう。

マイクロ法人の資産管理会社には5つのメリットが!

資産管理会社を設立する際マイクロ法人を利用することによって、個人事業だけの時では得られなかったメリットが5つもあります。

マイクロ法人のメリット①:社会保険料の圧縮ができる

マイクロ法人を設立することで、社会保険料の支払いを最大限に圧縮することができます。

社会保険料は国民年金・厚生年金・健康保険・国民健康保険の4つがありますが、いずれも社会保険料も標準報酬月額によって決められます。

標準報酬月額とは毎年4月~6月の3ヶ月間の収入によって社会保険料を算出するもので、同年の7月に決定されます。また、

社会保険料は収入が多くなるにつれて高くなります。

マイクロ法人は法人と個人事業で2つの事業を行っていますが、社会保険料の支払いは、法人側か個人事業側のどちらでも選択が可能です。

つまり、マイクロ法人の役員報酬を最小限にして、社会保険料の支払いをマイクロ法人側で行えば、社会保険料を極限まで圧縮することができるのです。

一方、個人事業のみであった場合、同様の調整はできない為、収入が上がるごとに社会保険料も高くなってしまいます。

マイクロ法人(法人+個人事業)と個人事業のみで比較した場合、仮に年収が同じ400万円でも、マイクロ法人では社会保険料は40万円近くも安くすることができます。

マイクロ法人のメリット②:社会的信用が向上する

基本的に、個人事業よりもマイクロ法人として、法人を設立した方が、社会的な信用を得ることができます。

そうすることで、営業や金融面でもスムーズに事業を進めることができます。

営業面の信用力の向上

法人では、資本金や役員・会社の所在地などを、登記簿謄本によって知ることができます。

重要な情報を提示することで、優秀な人材を確保できたり、業務提携などもスムーズになります。

個人事業では所在地すら開示する必要がない為、信用面で大きな差が生まれます。

場合によっては、法人でなければ取引に応じてくれない企業もあります。以上のことから、マイクロ法人は営業面でも有利といえます。

金融面の信用力の向上

個人事業に比べ、マイクロ法人は金融面でも融資を受け易いというメリットがあります。

銀行が融資をするにあたり、最も懸念する材料は、貸したお金が返済してもらえないことです。

それに加え、個人事業では融資してもらえる金額にも制限があるので、必要な資金を調達するだけでも、時間や労力を必要とするでしょう。

また、金融機関にもよりますが、法人でなければ融資してもらえない場合もあります。

マイクロ法人のメリット③:資産管理法人は10年間損失を繰越可能 

マイクロ法人を利用した資産管理会社では、個人事業に比べ、損失の繰越期間が長くなります。

法人でも個人事業であっても、赤字を出してしまった場合、欠損金繰越控除を利用することで、損失を翌年の利益と相殺することができます。 

欠損金とは赤字のことで、例えば昨年300万円の損失を出してしまったとします。

しかし、今年は1000万円の利益があった場合、1000万円ー300で700万円の利益とすることができるのです。

個人事業でも繰越は可能ですが、繰越期間は個人事業は3年である一方、法人では最長10年繰越すことができます。

巨額の損失を出てしまった際は、大きなメリットといえるでしょう。

また、株やFXなど複数の金融商品を取引した際、各銘柄で発生した赤字と黒字を相殺し、事業の利益と合算できます。

そういったことから、損益の通算もしやすくなるのも魅力の1つです。

マイクロ法人のメリット④:個人事業主に比べ譲渡に対する税金が安い

株や不動産などを売却し収益を得た際、個人とマイクロ法人では、利益に対する税負担に大きな違いがあります。

税率は個人に比べ、マイクロ法人の課税負担がとても小さく、短期の不動産売却に至っては、マイクロ法人の方がはるかに有利となるのです。

以上の理由は次の課税方法の違いにあります。

譲渡所得にかかる課税方法の違い

個人が株または不動産を売却したときに、得た収入のことを譲渡所得といいます。

そして個人が譲渡所得を得た場合、分離課税という方法で税金を支払わなければなりません。

分離課税とは、事業所得や給与所得・譲渡所得というように、

所得の種類別に課税する方法です。

ちなみに譲渡所得には所得税と住民税がかかってきます。

また現在では復興特別所得税(0.315%)というものまで加算されます。

一方、マイクロ法人では株や不動産を売却した際の収入は、事業で得た収益と区別されることなく合算して税金が計算されます。

そして総収益に対して法人税のみに乗じて税額が算出されるのです。

個人と法人の税額の違い

個人の場合、株と不動産では売却したときにかかる税率が違います。

個人が株を売却した際にかかる税金は所得税が15%、復興特別所得税株0.315%、住民税5%です。

これらを合わせると20.315%となります。

続いて不動産売却時の税金ですが、こちらは保有していた年数によって違いがあり、5年以下の短期譲渡所得と、5年以上の長期譲渡所得とで税率が異なります。

長期譲渡所得にかかる税金は株式と同じで、合計すると20.315%です。

しかし、短期譲渡所得では所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%となり、合計で39.9%になります。

次にマイクロ法人が資産を売却した際にかかる税金ですが、マイクロ法人では個人とは違い、株や不動産を売却する時の税率は同じです。

加えて、不動産の保有期間も関係ありません。

そして先述したように、事業で得た収益と資産売却の収入を合算したものに法人税がかかります。

法人税は年間収入が800万以下で15%または19%(※事業の開始年度や所得によって変わる)、800万を超えると23.2%となります。

以上のことから、資産の譲渡にかかる税金を払う際は、個人よりマイクロ法人の方が断然が安いことが分かります。

マイクロ法人のメリット⑤:は給与所得控除が使える

マイクロ法人にすることで、所得にかかる税金を節税することができます。

というのも、原則として役員報酬をマイクロ法人から受け取る際は、給与所得控除が適用されるからです。

給与所得控除は、受け取る役員報酬の額によって変わりますが、収入が1625,000円までなら、最低でも550,000円は受けることができます。

また、給与所得控除は収入が上がるごとに、控除される額も上がります。

但し、控除の限度額は1950,000円までと決められています。しかし、個人事業の場合、控除されるものは必要経費しかありません。

ということは、収益から必要経費を差し引いた利益のすべてに所得税がかかってしまいます。

これでは稼げば稼ぐほど、税金までどんどん高くなってしまいます。

ですから、利益の一部に対して、高額な控除が受けられるということは、マイクロ法人の大きなメリットの1つです。

給与等収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払い金額)
給与所得控除額
       1,625,000円まで550,000円
1,625,001円~1,800,000円まで 収入金額×40%-100,000円
1,800,001円~3,600,000円まで収入金額×30%+80,000円
3,600,001円~6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円~8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
1,625,001円以上 1,950,000円(上限)

マイクロ法人の資産管理会社に向く業種

  • 不動産関連
  • 金融資産関連

節税面を考慮した上で、資産管理会社を運営するのに適した業種はいくつかありますが、中でも今回は特にオススメな業種として上に示した2つをご紹介します。

マイクロ法人の資産管理法人に向く業種①:不動産関連

マイクロ法人で不動産関連の業種をオススメする理由は、なんといっても譲渡所得に対する対策に向いているからです。

不動産は売買や賃貸など、基本的に取り扱う金額が大きく、保有資産にかかる税金も高くなるので個人事業では負担が大き過ぎます。

また、ご自身に賃貸収入が発生する物件をお持ちの場合、年間の賃貸収入にかかる健康保険料、住民税、所得税を合わせるとかなりの金額になってしまいます。

ところがマイクロ法人では、賃貸収入も法人税のみに乗じて計算され、同収入に伴なう様々な出費を必要経費 として計上することができます。

加えて、法人税は個人が支払う所得税に比べて税率が低いので、節税面で大きな威力を発揮します。

マイクロ法人の資産管理法人に向く業種②:金融資産関連

金融関連の事業がマイクロ法人の資産管理会社に向いてる理由は、やはり損益通算のし易さです。

不動産投資、株式投資、 FXなど様々な金融商品がありますが、個々の銘柄や物件での損益をまとめて通算できるので、非常に金融事業と相性が良いといえます。

また先述にもありましたが、損益通算の期間も個人の3年に対し、10年と長いのも強い味方です。

他にもマイクロ法人では、金融口座を法人と個人でそれぞれ開設できることも大きなメリットです。

なぜなら、口座が2つあれば株主優待や、IPO(新規公開銘柄)の割当抽選を2名分獲得できるからです。

マイクロ法人を使った資産管理で節税できる人・できない人  

マイクロ法人を利用して、資産管理会社を設立するメリットがいかに大きいか、今までの説明でお分かりいただけたと思います。

以上の内容を踏まえ、ここでは、人によってマイクロ法人で節税できる人と、できない人をご紹介したいと思います。

マイクロ法人で節税できない人

  • 所得の低い医師
  • 普通のサラリーマン

所得の低い医師

一定水準の収入に満たない医師はマイクロ法人での節税が難しくなります。

医師というのは、基本的に一般の会社員より所得の水準が高い傾向にあります。

その為、医師であればどのような場合でもマイクロ法人で節税できそうに思えます。

しかし、収入によっては必ずしもそうとはいえません。

仮に医師がマイクロ法人の運営を考えたとき、その目安となるのは課税所得がおよそ900万円です。

なぜなら、900万円以上になると個人より法人で税金を払う方が10%程度税率が低くなるからです。

また、1,800万円を超えてくると個人の所得税率に比べ、17%近く下がります。

普通のサラリーマン

普通のサラリーマンは、マイクロ法人側と在籍中の会社側それぞれの社会保険料を支払う事になります。

マイクロ法人の大きなメリットの1つは、社会保険料の強力な圧縮です。

副業収入が400万円以上あるようなサラリーマンなら、マイクロ法人で節税効果が望めますが、普通のサラリーマンでは現実的とはいえません。

また、給与所得控除の面からみても、既に在籍中の会社の方で使っています。

ですから、マイクロ法人を利用した節税は更に厳しいと言わざるを得ません。        

マイクロ法人で節税できる人

  • 個人投資家
  • 多くの資産を相続する人         

 個人投資家

個人投資家で、ある一定水準の利益を出し続けている場合、マイクロ法人での節税が可能です。

個人所得に発生する所得税率は、最低でも5%,最も高くて40%以上となります。

しかし、法人税に至っては,800万円以下なら15%または19%です。

もし800万円を超えてしまっても最高で23.2%となります。

個人所得にかかる税率は330万円未満では10%ですが、330万円を超えると20%に上がってしまいます。

もし個人投資家が常に400万円前後の利益を出しているなら、マイクロ法人を利用して法人税で支払えば大きく節税できます。

他にも資産管理会社を設立すれば、高額な生命保険料や法人名義にした不動産に伴なう費用も経費として計上することが可能です。

多くの資産を相続する人     

巨額の資産をもった人が、マイクロ法人で資産管理会社を設立すれば、資産の相続に伴なう税金を大きく節税することができます。

もし個人が資産を相続する場合、資産の額にも寄りますが、3000万円以下(※法定相続人の数と基礎控除を差し引いた金額)で15%、1億円以下になると30%も相続税を払わなければなりません。

加えて、所得税と住民税といったものまで納める必要があります。

一方、相続する資産を資産管理会社の法人名義にして、役員報酬というかたちにすれば、贈与税支払うことなく移転することができます。

また、個人が生前贈与する場合は、年間で110万円まで非課税で行えますが、非課税枠を超えると55%まで課税される可能性があります。

マイクロ法人の資産管理法人で迷ったら税理士さんに相談しよう

資産管理法人の場合に限らずですが、マイクロ法人の設立や運用などで迷ったら、税理士さんに相談するのをおすすめします。

コストがかかるのは確かですが、できるはずの節税を取りこぼして数十万レベルで損をしたり、経理上で重要なミスをしたり、などといったことを防ぐことができます。

また、資産管理や不動産事業においては、ファイナンス(融資)が生命線とも言えます。

税理士さんへファイナンスの相談ができたり、金融機関を紹介してもらえたりすることは、大きなメリットになります。

まだお決まりで無い方は、無料で使える以下を参考に、ぜひ探してみてください。

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マイクロ法人を利用した資産管理法人についてまとめ

さて今回は、マイクロ法人を利用しての資産管理会社の設立の概要や、付随する様々な事柄について解説させてもらいました。

以上のことから、マイクロ法人で法人を設立することは、個人投資にとって強い味方になることがお分かりいただけたと思います。

マイクロ法人は、多少のデメリットはあるものの、節税面で大きな威力を発揮しますから、利用しない手はありません。

はじめは慣れないことも多く、チョット大変だと思う方は、事務手続きだけでも税理士さんにお願いするのもいいかもしれませんね。

是非あなたもこの機会に、ご自身の大切な資産をマイクロ法人を利用して運用してみて下さい。

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